Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2010年 11月 05日
「晶子さんのこと」西川文子
 一月ほど前になるだろうか、とある古本屋の店先、ワゴンに積まれている雑誌類の中に「武蔵野ペン」というタイトルのものが目に留まった。正確に言えば、雑誌名に目が留まったのではなく、表紙に並んでいる論文・エッセイのタイトルに中にあった「晶子さんのこと」という文字列が目に留まったのである。与謝野晶子のことだろうと思ったのだが、「武蔵野ペン」という雑誌がどういう系統のものかは知らなかったし、「晶子さん」と言われるだけでいきなり与謝野晶子に飛んでゆく必然性はどこにもなかった。それでも、なんとなく手にとってパラパラとめくってみると、案の定、その手の文章だった。
明治三十一年の春、私の学んでいた京都府立第一高女の本科五年に、凰里子という人が編入試験にパスして入学された。五年に入学するくらいだからとても学課のよく出来る人であった。(中略)或る日、昼休みに校庭を散歩していた時、里子さんは、姉はとても偉らい人だ、蔵にある蔵書を源氏でも古事記でも増鏡でも何でも皆な読破している、と話すので私が、でも平野先生には及ばないでしゃうと云うと、「ソンナの問題ぢゃないわ、」とプンプンにおこられた。
 与謝野晶子に関する思い出録のようなもののようだが、「晶子さん」という言い方からしてそれなりに近しい人物なのだろう。その時点では筆者の西川文子という人物についての知識はなにも持ちあわせていなかったのだが、ワゴンに積まれた叩き売り状態相応のお値段でもあったので、買って帰ることにした。

 与謝野晶子とは、明治から昭和初期にかけて活躍した女流歌人である、という説明をするとすでに歴史上の人物として扱っている。実際、国文学(近代)を専攻する大学生の間では、夏目漱石や芥川龍之介と並んで、研究対象として選ばれるベスト10には確実に入るはずだから、歴史上の人物といって差し障りはない。しかし、その一方で与謝野晶子の作品、とりわけ『みだれ髪』には不思議と親近感を抱いている読者(むしろファンと言った方がいい)も少なくない。百年以上前の人物なのだから、歴史の一コマとして扱われるのは当然であるにしても、いまだ根強い「ファン」を持ち続けているのは、珍しいケースなのではないだろうか。

 かなり以前のことになるが、鞍馬寺を訪れた時、山門の受付で与謝野晶子歌碑の所在を訊ねたことがあった。鞍馬寺に歌碑があるのは知っていたが、具体的に境内のどこにあるのか把握していなかった頃の話である。その際、受付にいた方(さほどの高齢には見えない)は、あたかも直接に面識があったかのような感じで、「ああ、晶子先生のですね」という口調で応じてくれたのだが、その調子が印象に残ってしまっている。法輪寺でもお寺の方の口から小督おごうさんという言い方が出てきた場面に接したこともあるので、鞍馬寺で出会った「晶子先生」という呼び方は、鞍馬寺という空間がそうなさしめているだけなのかも知れない。しかし、そうした詮索とは別に、与謝野晶子はまだ歴史になりきっていないのだろうなという印象を抱いたのは確かである。

 「武蔵野ペン」という雑誌に掲載されていた「晶子さんのこと」というのは、与謝野晶子と直接の面識どころか、親戚付きあいのあった西川文子の文章である。後日、調べてみて、西川文子(1882~1960)とは大正期の女権活動家でかなり高名な人物であったことを知った。そうした意味では、単に親戚筋というだけではなく、大正期の与謝野晶子や平塚らいてうらとは同じ文化圏にいた人物になるわけである。このあたりはまったくの勉強不足を恥じねばならないところだが、「晶子さんのこと」という回想録は、その最晩年に記されたものである。

 ところで、この手の回想録には、故人を美化するために記され、信憑性を疑わざるを得ないものもないわけではないが、この「晶子さんのこと」という一文はそういうタイプのものではなさそうだ。もちろん、誹謗めいた物言いを連ねて貶めようとしているわけでもないし、無責任に持ち上げているわけでもない、単にタラタラと思い出を記しているといった感じのもので(駄文と言ってしまえばそうかも知れない)、それだけに与謝野晶子の素顔に近いところの興味深い記述も含まれている。

 当方は与謝野晶子に関しては、興味は抱いているものの、掘り下げた知見を持ちあわせているわけではない。したがって「晶子さんのこと」というエッセイが与謝野晶子研究においてどんな位置づけになるのかなど想像も付かない。案外、専門家たちの間ではよく知られたもの、ありふれたものというオチがあるのかも知れない。しかし、読んでみて面白く感じたのは事実である。ということで、筆者の没後五十年が経過して著作権も切れているのをいいことに、勝手にPDF化してみることにした。

 PDF版「晶子さんのこと」(西川文子,武蔵野ペン第三号,昭和三十四年)
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by office34 | 2010-11-05 04:16