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Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2012年 11月 04日
虎石をめぐって(5) 虎石と虎刈り
数回にわけて続けてきた「虎石」を切り上げるにあたり、現物を一度も見ていないのは問題がある。といっても先の記事で触れた虎石墓は無理なので、京都市内にある虎石である。『都名所図会』にいうところによれば「親鸞聖人の廟塔は後の山腹にして、墳上に虎石あり」とのこと。そして図会にもきちんとそれらしき石の絵が描かれている。現物が拝めるかどうか、それ以前に『都名所図会』の記す場所に、今も現存しているのかどうかからして覚束なかったのだが、まずは足を運ばねば始まらないということで大谷祖廟へ行ってみた。

大谷祖廟は、いわゆる親鸞上人のお墓なのだが、本願寺に東西の二つがあるように、それぞれが崇めるお墓も異なる場所で祀られている。今回のターゲットは東大谷の方なので「大谷祖廟」の方だ。ややこしいので説明しておくと、東本願寺の管理するのが円山公園南側の大谷祖廟で、西本願寺のものは大谷本廟といって清水寺の南側にある。それぞれに「東」や「西」をつけて、東大谷、西大谷という呼び方になる時は大丈夫だろうが、「大谷祖廟」「大谷本廟」という名称だけを並べられると間違いかねない。大谷大学と龍谷大学を並べて、東と西を区別せよといわれるのと同じくらい、あるいは東京に住んでいる人をつかまえて鴨川と加茂川の違いを答えさせるくらい、厄介な問題である。

閑話休題、虎石の話である。『都名所図会』によれば御廟の上に置かれているということなのでその場所に行ってみると、はたしてそれは今もあった。
 虎石をめぐって(5) 虎石と虎刈り_a0029238_042214.jpg
虎石もさることながら、御廟前の電動庇みたいな装置が気になる?
 虎石をめぐって(5) 虎石と虎刈り_a0029238_04287.jpg
形も虎といえなくもないが、それより模様が虎の「虎石」

少し後ろに下がってベンチの上などに立って眺めると、たしかに漬物石みたいな妙なものが乗っているのがわかる。

ということで、現物の確認ができました、メデタシメデタシと締めておきたいのだが、そこは天邪鬼の性というものか。例によって詰まらないゴタクを並べたくなる。それは名前の由来が「石の形虎に似たれば」とあるものの、実は形にあるのではなくて、見た目の模様が虎に見えるからじゃないのか?と思ってしまったということである。というのも、虎石を見て最初に思いついた言葉が「虎刈り」というヤツだったからである。バリカンで子供の頭をいい加減に刈り上げた時の、あの「虎刈り」である。

親鸞上人ご本人が命名者であるかどうかはさておき、かの石が「虎石」と呼ばれるようになった時代に「虎刈り」という言葉があったとは思えないが、不規則な斑模様をみて、虎を連想したというのなら、同じ連想から「虎刈り」という言葉が生まれているはずだから、虎石の命名も形に基づくというよりは、模様を見てのことなのではないかと感じてしまったわけである。果たして、真実はどのへんにあるのやら・・・・

最後におまけとして、一応調べるだけは調べたものの、使いどころがなかったデータをペタっと。
とらいし 深草宝塔寺の虎石は其形の似たるなり。豊太閤の時、洛陽の虎石町より伏見に移されたる石也。近世、ある侯家、箱根より求め出されて奇異の有りし虎石は大磯の虎が石塔也。今、浅草実相寺にあり。大磯のあたりにあるとらふの小石をも虎石とよべり。沢菴和尚の東関記には、とら石とて、いにしへの遊君、石となれりと見えたり
谷川士清『和訓栞』(明治31年)
ここで「沢菴和尚の東関記」とあるのは以下の記事のこと。
此暮れに大磯のやどりにつく この里に虎石とていにしへの遊君、石と成て今に有といへば
  石に残るすがたもさぞなものゝふの
    いる矢もたゝじ大磯の虎
「東関記」(『近世紀行日記文学集成』1より)


もひとつ、おまけ。
以前に絵はがきをネタにして作った記事があるのだが、そのときに貼り付けたデータに大谷祖廟の写真がある。あたらめて確認してみると、虎石もきちんと写っている。
 虎石をめぐって(5) 虎石と虎刈り_a0029238_12504862.jpg



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by office34 | 2012-11-04 23:59 | 京都本・京都ガイド