Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2013年 11月 28日
建築様式とキッチュ ~キッチュ愛(7)
東山の祇園閣に関連して「俗臭」という言葉を用い、「キッチュ」という言葉へ発展させたばかりに、言葉の本義を確認せねばならなくなった。それでしばらくグリーンバーグの「アヴァンギャルドとキッチュ」にこだわってきたわけだが、あいにくグリーンバーグの時代とは社会環境が大きく変わっており、いま現在使われているキッチュという言葉の説明には馴染まない。キッチュという言葉を用いてグリーンバーグがアプローチを試みたのは、大衆文化が急速な成長をみせた1920年代のアメリカ社会あるいはヒットラーやスターリンの台頭を招いた1930年代のヨーロッパ社会である。言葉自体は、特定のニュアンスを帯びて現代にも生き残ってはいるが、グリーンバーグの使い方とは意味するところも変わってしまっている。それでもグリーンバーグのキッチュ論は文化の大勢に関する世界史的な視点を提供しているのは確かであり、現代的なニュアンスでいうところのキッチュを棚上げにすれば、1928年(昭和3年)に建造された祇園閣の性格を照らし出す手がかりになる。

こうした視点は、もちろんのことながら、当初から思い描いていたものではない。当初の見込みは、祇園閣の見てくれが金満趣味全開で俗っぽいものだから、キッチュという言葉から切り込めるのではないかというものだった。ひと月ほど前までは、キッチュ=ケバケバしくてチープなものという理解だったから、そんな見取り図を描いていたわけだが、それは見込み違いだった。しかしキッチュという言葉が文化現象全般で使われるだけでなく、とりわけ建築の分野で取り沙汰されることが多く、なおかつ日本における1920年代後半からの時代的特異性とも結びつきやすそうなので、想定外の形とはいえ祇園閣へ帰ってくることとなった。

具体的に見ていこう。建築におけるキッチュ志向は、グリーンバーグの文章にも見られる。第四節でムッソリーニがモダニズム建築を信奉しているかのように装いつつ、いつの間にか「新帝国様式」を主張するようになったのを、
(当初モダニズムを推奨していたのは)多分、ファシズムは仕えている裕福なエリート層の趣味に従いたかったのであろう。とにかくムッソリーニは、後日その支配者の文化的趣味よりもイタリア大衆のそれを満たすほうが自分に役に立つであろうと気づいたようである。大衆には、賞賛と驚異の対象をあてがわなければならない。支配者層は、そういうものはなしで済ますことができる。だから、いつの間にかムッソリーニは「新帝国様式」を表明するのである。
藤枝晃雄・編訳『グリーンバーグ批評選集』より
と説明する。ここでいう「新帝国様式(new Imperial style)」は、専門家の間で普通の使われている建築史の術語なのかどうか、詳しくは知らない。しかしナチスが主導した「第三帝国様式」のイタリア版とみておいて間違いあるまい。「第三帝国様式」に関しては、井上章一氏『戦時下日本の建築家-アート・キッチュ・ジャパネスク』(朝日選書、1995年、朝日新聞社)には「ナチス・ドイツがさかんに宣伝させた建築様式」との説明がある。そしてナチス政権下でのドイツでは「ナチス体制によりドイツの国家は生まれ変わる。世界に冠たる大帝国へと変貌する。このイメージを内外の人々に植え付けようとして、建築によるプロパガンダを断行した」とのことであるが、その際に採用された様式のことのようである。さらに詳細については「クラシック建築からディテールを削ぎ落とし、その骨格を前面に押し出した様式、いわゆる新古典主義に属する様式」ともされているのだが、要するに威圧的な荘厳さを演出した建築様式のことと解釈しておけばいいだろう。

見る者を圧するごとくの建築物を用いてプロパガンダを行うのは、教養のない大衆はビジュアル的に壮大なものに靡きやすいとの認識があってのことであり、グリーンバーグがくり返し指摘する構図とも合致する。またキッチュの話を始める最初のところで紹介した『文芸用語の基礎知識(88五訂)増補版』の記述「【発展】これが次第に、ナチ時代の醜悪な新古典主義的な建築様式で、しかも大衆の感動を糾合しうるような、コケオドシの美に対しても用いられるようになった」(参考)は、まさにこの点を念頭においてのことである。

さて、世界史的にも見いだしうるこうした見てくれの派手さを現出せしめたのが、キッチュに向かう大衆嗜好だったとするならば、昭和初期の日本はどんな状況にあったのだろう。この点が『戦時下日本の建築家-アート・キッチュ・ジャパネスク』で井上章一氏が分析を加えた問題であり、同時に当方の課題である祇園閣に直結する事柄である。

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花灯路でライトアップされた祇園閣(2008年)






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by office34 | 2013-11-28 06:21 | 街角の風景