Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2013年 12月 25日
祇園閣から京都タワーへ ~キッチュ愛(11)
キッチュ論議をする場合、贋物性なるものは大きな意味合いをもつ。"バッタもん度"といえばわかりやすいか、要するに手本となる「真正」があり、それを志向しているにも関わらず何かが足りない、足りなくて妙なものになっているetc……そういったシチュエーションである。C.グリーンバーグの"AVANT-GARDE AND KITSCH"でも問題にされていたことではあるが、大雑把にいえば、こんな具合か。キッチュの原義を問う時には真正なる芸術に手が届かないからバッタもん(simulacra)で間に合わせる、そうした要求に応えるのがキッチュである云々。これは極めて表層的な理解なのだが、少し掘り下げた言い回しも用意されている。すなわち、アヴァンギャルドは過程であり、キッチュは結果であるとする一節である。先人が残した真正の芸術を志向しつつ、その創造過程に意義を見いだす場合は、たとえ模倣行為であってもその内側には新たな独創性が芽生えていてアバンギャルドへと傾くのに対し、事物の外形のみを借りて製品を作る場合はキッチュであるというものである。マティ・カリネスクの文章にも、ミロのビーナスはさまざまなサイズのものが世界中に存在しているという内容のことが書かれているが、これは廉価なレプリカが大量生産されていることをいう文脈であり、キッチュの最たる事例として触れられている。このブログでも、天龍寺の達磨図を取り上げ、クリアファイルに印刷された達磨図はキッチュであると書いたが、それと同じ理屈である。

さてルーブル美術館に保管されているミロのビーナスと世界各地にあるさまざまなサイズの模造品、天龍寺庫裏入口に置かれている達磨図とクリアファイルに印刷されたデザイン、そういったシンプルな対比であれば、贋物性をキッチュの特徴として指摘するのは容易だろう。だが祇園祭に登場する長刀鉾と祇園閣といった対比になるとどうか。祇園閣が山鉾を模しているのは事実である。どこから見ても山鉾をイメージしているように見えるし、祇園閣碑や大倉喜八郎の伝記にもその旨ははっきりと記されている。だがこのケースは真正と偽物という対比ではない。伊東忠太が図面を引くにあたって、大倉のリクエストに従ったにせよ、山鉾を設計したわけではない。あくまでも楼閣を造っているのである。そういう意味ではバッタもん(simulacra)と断じることはできない。もちろんキッチュでなければアバンギャルドだとの二分法に依る必要もないので、祇園閣に芸術性を見いだすつもりはないのだが、贋物性という方向から祇園閣のキッチュ的な性質をいうことは難しい。むしろハチャメチャな大倉のリクエストに対して、一応は建築物として堪えうる範囲に収めた伊東の設計を評価するべきだろう。

ところで建築物に絞って話をするとすれば、レプリカはどの範囲までが許容されるのだろう。オリジナルの金閣寺に対して再建された金閣寺はレプリカではあっても贋物性が問われることはない。同様に、平安神宮の応天門や拝殿も王朝時代の内裏応天門と朝堂院を模しているとはいえ、否定的な意味での贋物性が云々されることはない。淡路島だったか、どこかのテーマパークにエッフェル塔や凱旋門が勢揃いしているところがあるとも聞くが、ああいうレプリカはキッチュであって、最初から芸術や歴史といった方面からの言及はなされない。そのぶんギャグの文脈で語られることになり、別な観点からの評価も生まれる。ここで問題にしたいのは、再建金閣寺タイプでもなければ、平安神宮応天門タイプでもない、またギャグでもない、致ってマジメに造られているのに、生憎なことに浅薄さが表出してしまっているケースである。そんな建築が京都にはないものかと見回してみると、思いつくのが京都タワーである。

京都タワーが建造された昭和三〇年代は高度成長期のただ中であり、東京タワーに刺激されたかのように、各地でタワーの建築が行われたようだ。もちろん電波塔の必要性という現実的な需要もあったろうが、近年のゆるキャラブームではないが、負けるな遅れるな的な発想で建てられたものもあったに違いない。そうした背景を思い描きつつ、京都タワーを眺めてみるとどうだろう。通天閣のような歴史性があるわけでもないし、高さも東京タワーの比ではない。それに電波塔としての役割を期待されたようでもなさそうだ。流行り物に乗っかるのなら、先行するものを圧倒するくらいの何かが必要なのに、単純に、京都にもランドマークになる高層展望台をといった感じで進められたプランであるように思えてしまう。もちろん時代と切り離して、独立した建築物として眺めるのであれば、下部のタワービルのデザインも含めて評価すべきポイントはたくさんある。何よりも展望室に登っての眺めは十分に楽しめる。しかしブームの中で登場した物件だからこそ、最初に貧弱さが目に付いてしまうのである。戦前からの歴史がある通天閣や高度成長期のシンボルのごとく語られる東京タワー、これらを傍らにおくと、京都タワーには、形態的に似ているというわけではない「贋物性」が見えてくるのである。


-追記-
文中にある「淡路島だったか、どこかのテーマパークに~」は、淡路ワールドパークonokoroという場所らしい。公式サイトによれば、園内の「ミニチュアワールド」には、ピサの斜塔やアクロポリス、コロッセオ、タジマハール宮等のミニチュアが造られているとか。なお凱旋門はあるが、エッフェル塔はない模様。






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by office34 | 2013-12-25 09:07 | 街角の風景