Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2008年 03月 21日
「客寄せ」vs「作品」
 今年も東山花灯路が開幕となり、あちらこちらで話題になっている。ところが、当方は京都にいるといいながら、花灯路には未だ一度も出かけたことがなかった。春秋のドル箱シーズンから外れた時期に、なんとか観光客を呼べないかとの魂胆から始められたとの噂も漏れ聞いていたので、どうせ軽薄な客寄せイベントだろうと決めつけていたのである。かなり天邪鬼的性根のなせる業なのは認めるのだが、それでも一度も行かずに悪態をつくのもどうだろうという気になって、昨日、出向いてみた。とはいえ円山公園から南側については、どうにも素直な評価はできそうにないので、最初からメインは青蓮院と割り切っての出陣である。

 花灯路の点灯に合わせて、18:00に青蓮院の夜間拝観が始まる。開門時には受付前に行列ができるなど予想以上の人出に驚かされたが、それも始めのみ。第一波が過ぎると、境内も落ち着きを取り戻す。閑散期の静かさは望めないが、鬱陶しさを感じる人出ではない。青蓮院拝観の場合、目玉商品になるのは障壁画だったりするわけだが、夜間拝観の今回は宸殿前庭のイルミネーションや、灯りに浮かぶ殿舎の外観がお目当てである。

a0029238_5362925.jpg 宸殿前庭というのは、青蓮院の境内に入って最初に通る大きな建物の、その前に広がる庭園のこと。「苔の庭」とも言うらしく(この名前は初めて知った)、夜間拝観のポスターにも使われている青い電飾が施されている場所である(写真クリックで拡大)。最初に見たとき、予想に反して青くもなんともなかったので、何かの勘違いだったかなと訝しく思ったのだが、実はこれこそ青蓮院の演出である。通常のライトが次第に光量を下げていき、一瞬暗転するような間隔を経て、今度は徐々にブルーの庭へと変貌する。1サイクルがおよそ二~三分だろうか、たまたま暖色系のライトが照らされていたタイミングで前庭を見始めただけだったのである。そして、それだけにブルーライトへの移行は印象的でもあった。穏やかな青の幻影とでも言える、一つのショーを見せられた気分である。拝観者たちの間からは静かなどよめきも聞こえてきたが、そういう反応にも納得してしまう。

a0029238_5372727.jpg ところで、実を言うと「青蓮院門跡:拝観料500円、夜間特別拝観800円」という情報に対しては、ただ照らしているだけなのにプラス300円とは、えらくぼってるなと考えていた。しかし、この仕掛けを見てしまうと脱帽である。それに見せ場は宸殿側から眺める前庭だけではなく、反対側から眺めた前庭+宸殿、あるいは緑を強めた光で美しさを強調した竹林(写真クリックで拡大)、灯籠の陰影が浮かぶライトの当て方などなど、見せ方に気を配ったライトアップとなっている。先ほど、前庭について「ショー」という言葉を使ったが、全体としてみると、「作品」とも呼びうるライトアップなのである。

 ということで、気になったので調べてみると、この青蓮院ライトアップ、やはり高名なライティングデザイナーの仕事だった。その分野については、まったくの門外漢で詳しくは知らなかったと言い訳をしておくが、十把一絡げにして客寄せの具と見なしていたのは言うまでもなく、「作品と呼びうる」という評価自体も失礼の極みだったことになる。もちろん、ライトアップに限った話ではなく、アートのセンスが光る商品ポスターにしても、含蓄のある短いキャッチコピーにしても、究極の目的を突き詰めていくと「客寄せ」の一言に単純化されるのは否めない。しかし、そうした目的を持ちつつも十分な独立性があれば、素直に評価しなければいけないはず。どうやら、今回の青蓮院拝観は「作品」と「客寄せ」とのデリケートな関係について意識する契機になってくれそうだ。

 ちなみに、青蓮院を出たあとは、円山公園から二年坂、三年坂を経て、清水寺まで行ってみた(目的を青蓮院に絞っていたこともあり、高台寺はパスしている)。その間の印象は、「円山公園から清水寺までざくっと駆け抜けた」という言い方に代えておきたい。


青蓮院門跡(夜間拝観)
 [ high:7MB/low:2.5MB]
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by office34 | 2008-03-21 05:46 | 京都本・京都ガイド