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Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2008年 04月 27日
消えゆくものども
 25日、河原町六角にミーナ京都がオープンした。かつては京都宝塚劇場や京都スカラ座といった映画館が入っていた「京都宝塚ビル」で、長らく改築工事が続いていた。工事期間中は、吉田初三郎の鳥瞰図をデザインしたボードが掲げられており、時折、足を止めて絵を眺めていく通行人もいた。

 当方の趣味からいって、実はミーナ京都それ自体に関心があるわけではない。フーンの一言でスルーしてしまう部類だろう。ただ、河原町の景色が変わりゆくなかでの、一つのエポックになるという意味では、ミーナ京都のオープンは記憶にとどめておいたほうがいいのかもしれない。というのも、京都の繁華街といいながら、やたら本屋と映画館が目立っていたというのが、古い河原町のイメージであり、その後者、「映画館が多い」という印象を際だたせていたのが、その場所にあった京都宝塚ビルだったからである。このビルには、本屋のほうでも、京都における大型書店の代名詞だった駸々堂(同社倒産後に入ったのはブックファーストだったので、やはり大型書店だった)が入っていたこともあり、本屋と映画館の界隈という雰囲気を作っていた大元だったわけである。

 実際のところ、映画館といっても、このビルにあった京都宝塚劇場と京都スカラ座ぐらいで、数量的に多かったというよりは、印象のレベルで多そうな雰囲気を醸し出していたというほうが正しい。新京極に入ると数量的にも増えたのだが、河原町に限定すれば、あとはせいぜい三条東入るの東宝公楽があるくらいである(「小屋」を入れるなら、太古の昔に息絶えた朝日シネマも河原町エリアだった)。さらにいえば、印象云々にしても、実は、映画館のシンボルだった独特のタッチで描かれた絵看板、それがが他の店を圧倒するようにドーンと大きく掲げられて、やたら目立っていたからだろう。巨大看板や各種ネオンサインなど、他業種のアピール力が大きくなり、絵看板文化が衰退しつつある中では、目立ち方そのものも小さくなっていたのも事実だから、映画の街という内実は、遙か昔の段階で死滅していたはずである。

 しかし、実態が伴わなくても、河原町界隈が映画の街であるかのようなイメージを保ち続けていたのは事実である。当方にしても、名実ともに映画の世界が輝いていた時代は知らない。それでも、河原町へ出て映画でも見ようか……といったノリは普通に理解できた。今回のミーナ京都のオープンは、同地のビルが映画とまったく関係のないものになったという意味で、象徴的なものがある。

 ところで、映画館の絵看板の話だが、MOVIXやTOHOシネマのようなシネコンでは、さほど目立っていないような気がする。いまや描き手がいなくなったのか、一本だけを大々的に取り上げるわけにいかないのか、はたまた出来合のポスターを貼っ付けておくだけで事足りる時代なのか、絵看板そのものが、もはやレトロな雰囲気を漂わせている。そんななか、京都の文化遺産としても、こっそりと推奨していた、かのカサブランカも消えていることに、最近、気がついた。

消えゆくものども_a0029238_1942620.jpg 新京極公園の向かいにあった成人向け映画の専門館、八千代館で、上映内容と関係なく、掲示されていた、映画「カサブランカ」の絵看板である(写真クリックで拡大:2004.06撮影)。昨年末に八千代館が閉館したことは知っていたが、かの絵看板がどうなるかということについては、不覚にもあまり気にしていなかった。先日、近くを通りかかったので、寄り道してみると、八千代館の建物をつかってWEGOが出来ており、カサブランカの場所には、WEGOの看板が出ていた。

 かの絵看板は、「瀬戸内少年野球団」のロケで使うために制作されたもので、「カサブランカ」上映時のオリジナルではないらしい。したがって問答無用の絶対的価値があったわけではなく、象徴的な意味合いでの価値だったのだが、それでもやはり、無くなってしまうと、残念に思わざるを得ない。

 まあ、八千代館がWEGOになり、京都宝塚ビルがユニクロのミーナ京都になるというのも、時代の趨勢を映し出しているようだが(HANJIROのビルも元々は美松劇場だったような?……記憶不確か)、消えゆくものどもに対する哀悼の意をこめて、軽いイタズラを……(写真クリックで拡大)。
消えゆくものども_a0029238_1955183.jpg

 


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by office34 | 2008-04-27 19:07 | 街角の風景