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Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2009年 04月 08日
小督はコゴウかオゴウか
 琴きき橋の流れで、もう一ネタ。このエピソードの主人公は小督という女房である。この小督に関しては、渡月橋の近くに「小督塚」なる五輪塔があることで、その名前はよく知られているようだ。具体的にどういう人物だったのか云々のレベルではなく、「小督という人のお墓が渡月橋の近くにある」といった形で広まっている感である。ちなみに、小督塚は塚といいつつも、小督の墓ではなく、小督が隠れ住んでいた家があったと伝えられる場所に、供養塔が建てられたものである、念のため。

 ところで、今回、小督のネタで気になったのは、「小督」の訓み方なのだが、当方としては何の疑問も持たずに「コゴウ」と訓んでいた。ところが、法輪寺に小督の墓があるというから捜してみて、見つからず、お寺の人に尋ねてみたところ、「オゴウ」と訓むのだと叱られてしまったのである。そもそも、この名前は父親の官職名、左兵衛督に由来するものであって、官職名に「小」を付ける呼称、たとえば「小宰相」や「小式部」とかと同じだから、小=コと訓むはずである。平家物語でも、新大系によれば、底本には「こがう」と振り仮名があることになっている。であれば、やはりコゴウが正しいはずなのだが、墓と伝えられる供養塔を管理するお寺では「おごう」と訓まれていたのである。子孫とかではないにせよ、当方のようなまったくの第三者に比べると、遥かに当事者に近い立場、そういう場所での訓み方が「おごう」となっていたのである。

 たまたま、尋ねた相手が間違った訓みをしていたというのではなかったようだ。というのも、平家物語の訓みは云々と持ちだして確認をしてみると、「そのあたりは知らないが、私たちは『おごうさん』と言っている」と突っぱねられてしまったのである。歴史的にとか、語法的にとかのことを言い出すと、誤りには違いないのだが、いわゆる慣用訓みというやつなのだろう、いま現在の当事者的には「おごう」と訓まれている事実がある、ということが興味深く思われた。

 この次に機会があれば、嵐山保勝会の人にでも訊いてみよう。ガイドブックのレベルでは、軒並み「コゴウ」になっているはずだから、おそらく保勝会でも「コゴウ」説が有力になるかと思う。それでも「法輪寺では『おごう』と言っているらしいが、保勝会ではどう訓んでいるのか」と持っていくと、どんな反応になるものやら……

 なお法輪寺の供養塔だが、本堂の裏手にあって、現在は非公開だとのこと。その替わりにというのも何だけど……

小督はコゴウかオゴウか_a0029238_159737.jpg

法輪寺門前の石碑。刻まれている文字は、「虚空蔵 法輪寺」の下は右が「轟橋葛井道昌墓」、左が「小督塔頼山陽選玉堂碑」となっている。


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by office34 | 2009-04-08 02:03