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Ours is essentially a tragic age, so we refuse to take it tragically. The cataclysm has happened, we are among the ruins, we start to build up new little habitats, to have new little hopes. It is rather hard work: there is now no smooth road into the future: but we go round, or scramble over the obstacles. We've got to live, no matter how many skies have fallen. This was more or less Constance Chatterley's position. The war had brought the roof down over her head. And she had realised that one must live and learn.
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2009年 08月 16日
愛宕詣り(4)
 車のCMではないが、調べてみると××でしたというオチ。このところ「愛宕さんへは月参り」という俗諺をめぐって戯れ言を並べてきたわけだが、手元にある資料だけで誤魔化すのではなく、ちょっと本腰を入れてみたら、案の定、愛宕電車以前にもごく普通に使われていた。ということで、その報告で一連の戯れ言を切り上げておこうと思う。

 まずは用例の羅列から。
「風流比翼鳥」
有王おもひのあまり、伊勢へ七度、熊野へ三度、あたご様へは足を空になし日毎の参詣
「糸桜本町有」
どうぞあいつばかりは、まめで達者で屋敷で出世をさせたいと、コリャ伊勢へ七度熊野へ三度愛宕様へは月参りをしられたわいやい
「譬喩尽」
伊勢へ七度ナナタビ熊野クマノへ三度サンド愛宕山へは月参り
「東海道中膝栗毛」
さてもわれわれ、伊勢イセへ七度ナナタビ熊野クマノへ三度サンド、愛宕さまへは月参の大願を起し

 以上が『日本語大辞典』に出ていたもので、これ以外では『江戸語辞典』にも次のような説明と用例が載っていた。
いせへななたびくまのへみたび
たびたび寺社に参詣すること。「茶屋のおかゝに末代そはば、--愛宕様へは月参り」(歌舞伎草子)など古くから歌われた文句。<道中膝栗毛>「扨もわれわれ、--愛宕さまへは月参の大願を起し」、<滑稽富士詣>「それに旅といつたらほたる尻サ。中仙道が六十九次、東海道は五十三次、--ふじ山へ月参りをしたり」

 これら辞典類の紹介されている用例をみると、だいたい江戸中期から使われるようになり、江戸末期にはかなり広まっていた感がある。そして「伊勢へは七度、熊野へ三度」の部分が固定されていて、それに続く部分には流動性があるようだ。その中でもポピュラーなのが「愛宕さんへは月参り」で、結局のところ「伊勢へは七度、熊野へ三度、愛宕さんへは月参り」までが、まとまった俗諺と見なされるようになったのだろう。

 という次第なので、愛宕電車との関係で云々と考えた点についてはまったくの的はずれだったことになる。ただ、現在、よく言われているような”京都にはかくかくということわざがあります”というのは間違いだろう。出典を見る限りは、京都特有ではなく、ほぼ全国区であるといっていい。また、こんな俗諺があるからといって、京都では愛宕神社へ月参りするのが習わしだった云々というのも違うと思う。極端な事例を並べ立てて、度合いの著しさ(この場合は信心の篤さ)をいう言葉のように思える。言ってしまえば「嘘ついたら針千本飲ます」と言う時の、「針千本」のようなものだろう。「嘘ついたら針千本飲ます」ということわざがあるからといって、虚言の罰として針を千本飲ませる風習があったことにはならないのと同じである。

 ともあれ、この言葉が古くから使われていたということ、そして愛宕信仰が篤かったということ、それらの点については動かない、ということで〆にしよう。

愛宕詣り(4)_a0029238_3343865.jpg






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by office34 | 2009-08-16 03:24 | 京都本・京都ガイド